ドイツ第一波女性運動では,市民層の運動家たちが中心となって,男女同権を目指して運動を展開したが,その大きな目的は「女性の高等教育」および「婦人参政権」であった。ただし,目指すところは同じであるが,達成するための方策の違いから,市民層の中でも「穏健派」と「急進派」に分かれていた。へートヴィヒ・ドームは市民層の急進派に属し,完全なる男女平等を求め,ドイツではじめて「婦人参政権」を真っ向から主張し,屈することなく闘い続けた。闘いに用いる彼女の武器は「ペン」,すなわち「書くこと」であった。そこで,彼女の生涯を通じての執筆活動に注目し,まずはアンチ・フェミニストに向けた「女性解放理論」を取り上げる。Hedwig Dohm(1831-1919)war eine der bekanntesten und wichitigsten Frauenrechterinnen in der Ersten Deutschen Frauenbewegung. Auf radikale Weise forderte sie die vollkommene Gleichberechtigung von Frauen und Männer, vor allem das Frauenstimmrecht und das Frauenstudium. Gegen die Antifeministen, Gebildete Männer wie Professoren und Pastoren musste sie mit ihrer eigenen Waffe „Feder“ kämpfen, das heißt „Schreiben“ war ihre stärkste Waffe. In dieser Abh...
本稿は、ドイツの現行否認制度を概観したうえで、生物学上の父による否認権に着目し、生物学上の父による否認を阻む「社会的家族的関係」をめぐる過去の判例や学説と併せて、2017年の連邦通常裁判所の決定や連邦...
19世紀後半のドイツで人気を博した家庭雑誌『あずまや』は,3月革命後の反動的な時代に市民階級に向けて「娯楽」と「教化」を目的として創刊された。そこには,自由主義革命に挫折した市民層が,政治という公的な...
本稿は、フランク教授が2010年に本学で行った講演を翻訳したものである。ドイツ連邦憲法裁判所は、2005年の決定で、①子の遺留分権は憲法上保障されたものであること、②遺留分権は子の具体的な必要性によっ...
本研究では,19世紀後半に政治,経済,教育の分野で女性の権利,解放を求めて始まったドイツ第一波女性運動が,第一次世界大戦というヨーロッパ全土を巻き込む未曽有の戦争に直面したとき,どのような姿勢で臨んだ...
ヘレーネ・ランゲとその後継者ゲルトルート・ボイマーは,19世紀後半から20世紀初頭にかけて展開したドイツの第一波女性運動において,市民女性運動・穏健派に属しており,当時の女性運動の主流派としてもっとも...
19世紀後半に起こったいわゆる第一波女性運動は,ドイツではまず市民女性の穏健派が中心となって推進された。この時期の女性運動の主な目標は,大学進学へ向けた女子教育の拡充,女性の就業機会の拡大,そして女性...
1990年頃から「平塚らいてうは優生思想の持ち主」論が通説として流布している。その典拠とされるのが、平塚執筆の「避妊の可否を論ず」に記された断種法要求であるが、実は原稿は3種類あり、刊行時期も食い違う...
本稿はヘーゲル『精神現象学』の「自己意識」の章における「主と奴」に焦点をあわせて,この問題がいかなる観点から理解されねばならぬか,そしてその意義が何であるかを明らかにしようとするものである。なぜならこ...
ドイツでは、近年、社会保障や扶養の場面で遺留分権利者の決定の自由が制限されるかが争われている。わが国でも社会保障費は増大しており、同様の問題がいずれ表面化することは避けられない。そこで本稿では、扶養や...
本研究では,先稿に引き続き19世紀後半から20世紀初頭に展開したドイツ第一波女性運動の「市民層急進派」に着目し,第Ⅰ報でその思想と活動を考察したアニータ・アウグスプルクと40年の長きにわたり公私にパー...
今後,携帯電話所持によりますます子どもが近づきやすくなった残酷なメディアに対して,我々大人世代は,どう対処すればよいのだろうか。本稿の第Ⅰ章では,ヴルフのミメーシス(模倣)論に依拠し,人間のミメーシス...
18世紀の教育家クリスティアン・ゴットヒルフ・ザルツマンの『かにの本』にはイソップに想を得たといわれる扉絵とモットーが添えられている。しかし、実際にオリジナルと対比してみると、そこにはふたつの変更を認...
ドイツにおいても19世紀後半から20世紀初頭にかけて第一波の女性解放運動が展開した。その際中心となっていた市民女性による運動は,思想と活動のあり方から大きく「穏健派」と「急進派」の2つに分かれており,...
本稿は、ドイツ売買法における追完の履行場所に関する問題を検討するものである。売買契約において売主が瑕疵ある物を提供した場合、買主は追完請求権を有するが、このとき売主の追完義務の履行場所はどこかが問題と...
シュテファン・ツヴァイクの遺作となった回想録『昨日の世界』は1942年に出版された。ハンナ・アーレントは1943年に英語版に対する書評を発表し、後に『昨日の世界のユダヤ人』と題してエッセイ集『隠された...
本稿は、ドイツの現行否認制度を概観したうえで、生物学上の父による否認権に着目し、生物学上の父による否認を阻む「社会的家族的関係」をめぐる過去の判例や学説と併せて、2017年の連邦通常裁判所の決定や連邦...
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本稿は、フランク教授が2010年に本学で行った講演を翻訳したものである。ドイツ連邦憲法裁判所は、2005年の決定で、①子の遺留分権は憲法上保障されたものであること、②遺留分権は子の具体的な必要性によっ...